過労でうつ病、東芝に6千万円賠償命令 東京高裁

 長時間労働で鬱病になり、東芝を解雇された元社員、重光由美さん(50)=埼玉県深谷市=が約1億円の損害賠償を求めた訴訟の差し戻し判決で東京高裁(奥田正昭裁判長)は31日、差し戻し前から賠償額を増額し、東芝に計約6千万円の支払いを命じた。

 差し戻し前の東京高裁判決は、神経科への通院などを早く申告していれば、東芝が悪化を防ぐ措置ができたと判断したが、最高裁は「申告がなくても会社は労働者の健康に配慮する必要がある」として差し戻していた。

 今回の判決は重光さんの過失を否定し、差し戻し前の判決が320万円とした慰謝料を400万円に増額。そのほか、東芝が過重な労働を軽減しなかったことに基づく休業損害などを認めた。

 判決によると、重光さんは深谷市の工場で液晶生産ラインの開発などを担当。平成13年4月に鬱病を発症して10月から欠勤し、16年9月に解雇された。(共同通信)

2016-09-06